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「夢を実現する」古賀稔彦さん講演会に出かけてきました

夢を実現するには、自分を信じ、努力すること。天が与えた才能を発揮し、よい方向に使うこと

2017(平成29)年のある晴れた春の午後、バルセロナ五輪金メダリスト、柔道家の古賀稔彦(こがとしひこ)さんの講演会に出かけてきました。

講演のお題は、「夢の実現~挑戦することの大切さ」。

柔道家 金メダリスト 古賀稔彦氏

古賀稔彦さんは、素晴らしい柔道家であり、
アーティスト(=表現する人)でいらっしゃいます。

自分の力を信じ、
周りの人を支え、周りから助けられながら、
オリンピックの栄冠を勝ち取り、後進を育て、
鮮やかな活躍をされておられる古賀稔彦さん。

1,500名収容の大会議場、最前列。
肩幅の広い、がっちりした体つきの人だなあ、というのが第一印象。

彼のお話は、西洋の思想における
火・風・水・土の4つのエレメント(元素)に対応しているお話しだな、と思いました。

講演の前に流された映像、Web上で見つけた古賀稔彦語録を加えて、古賀さんが講演の中で語られたことをまとめてみました。(文責:櫻井みわ)

※古賀稔彦さんは、2021(令和3)年3月24日、がんのためお亡くなりになりました。
記事にさせていただいたことへの感謝とともに、謹んでご冥福をお祈りいたします。

 ☆  目次 ☆
自分の才能や可能性を信じて、行動する(=火)
「誰かのために」と思えたとき、自分の力以上を発揮できる(=水)
ピンチをチャンスに変える(=風)
自分のエネルギーをどう使うか(=土)
4大元素とは・・

自分の才能や可能性を信じて、行動する(=火)

意思の力

成功する人間とそうじゃない人間の違いは、体力の差でも、知識の差でもない。
意思の力だ。

中途半端な気持ちで動いてはだめ。戦場なら死んでしまいます。

試合に出るときには、「勝ちたいな」ではなくて、「絶対、勝つんだ!」という気迫が大事なんです。

夢を決して諦めない

夢を諦めるのは、簡単ですからね、誰しも。
でも、その「諦める」ってことは、自分自身に対して、自分自身がすごく恥ずかしくなるじゃないですか。
こんなことで諦めていいのか、と思うと。

だからこそ、自分に挑戦する。

自分に負けたという敗北感は、後悔以外の何ものでもありません。

才能を開花させるには、まず行動すること

皆さん、天才というものについて、どういうふうに思っておられますか?
立派な成績を収め、人々に感動を与えるような、何か特別なことをやれた人のことだと思っていませんか?

自分は天才じゃない。そんなふうに思ってますか?

僕は、天才とは文字通り、天が与えた才能のことだと思っています。

誰かよりも少し優しいとか、気遣いができるとか、そういうのも、目立たないけど大切な才能ですよね。

人間はみんな色々な才能を持っていて、
自らが挑戦するなかで、自分の隠れた才能を表に引き出すことができると思っています。

せっかくの才能を潰してしまうということもあります。
挑戦する前に、自分の頭で考えて、「こんなの大したことないよ」と自分の才能を潰してしまうとか。
親が先回りしてあれこれ考えることで、子供の才能を潰してしまう潰してしまう、ということもありますね。

頭の中でいくら考えたところで、努力、厳しさ、喜びを実感することはできません。

自ら行動し、挑戦することで、努力、厳しさ、喜びを感じることができるのです。

さらに、挑戦することで、多くの仲間をつくることができ、生きる喜びは大きく広がっていくでしょう。

自分の夢を実現したかったら

自分の夢を実現したかったら、自分の夢と同じだけの重さの努力をしなさい。

その努力がなされたとき、夢や目標が実現できます。

子供のころ、何となく始めた柔道の試合に負けたんです。
道場内の練習試合に出たんですが、簡単に負けてしまった。

悔しさで涙が止まらなかったんですが、
そのとき「もう負けたくない」という気持ちがふつふつと湧き出して、
「悔しい!」「次こそは勝ちたい!」と思ったんです。

勝つためには、人が遊んでいるときに自分も遊んでいてはダメ。
人が遊んでいるときにもトレーニングしないといけない、と思いました。
そこで毎朝、父や兄と早起きして、近所の神社の鳥居から境内までの石段を7往復、昇り降りしました。

人がやらないことをやる。

そして、秘密特訓って人にバレちゃいけないじゃないですか、昔から。
バレちゃダメなんですよ!

「誰かのために」と思えたとき、自分の力以上の強さを発揮できる(=水)

1988年、ソウル五輪で敗退したあと、日本に戻ってきました。
日本から出発するときには、たくさんの記者が寄ってきてインタビューされたり、
応援してくれた人たちでいっぱいだったのに、

・・・敗けて戻ってきたら、誰も寄ってこないんです。鼻も引っ掛けてもらえない。

新聞にもボロクソに書かれました。

あまりのショックに人間不信に陥って、外も歩きたくない、引きこもりみたいな状態になりました。

そんなとき、TVで「ソウル五輪 総集編」をやっていたんです。
僕が敗けたときの映像が流れ、そのあと観客席をビデオカメラが映し出しました。

僕の両親は、僕の親ですから、僕が勝っても敗けても、僕の方を見てくれているんだろう、と思ったんです。

でも違いました。

僕の両親が、僕の方ではなく、後ろを向いて、観客席の方へ向かって、何度も頭を下げていたんです。

柔道家 古賀稔彦氏僕が勝っていれば、

「息子が勝ちました。ありがとうございました」

という意味だったでしょう。

でも、敗けた。

「息子が敗けて、どうもすみません」

という気持ちで、僕の両親は、何度も何度も観客に向かって頭を下げていたんです。

そのとき思ったんです。

戦っていたのは自分一人ではない。

自分の後ろには家族がいて、純粋に応援してくれる人たちがいる。

その人たちに、こんな思いをさせてはいけない。

謝らせてはいけない。

喜ばせてあげたい。

次のオリンピックでは、絶対に金メダルを取って、恩返しをしたい。

そう決心しました。

ピンチをチャンスに変える(=風)

人生で成長できる人と成長できない人の違い、あるいは目標を達成できる人とできない人との違い、と言い換えてもいいんですけど。

わたしたちは、よく、「あのときいこうだったら・・・」とか、「ああすればよかった」とか、思いますよね。

「たら・・」「れば・・」と思っちゃ駄目、とよく言われますけど、

僕は、「たら・・」「れば・・」と思った次の瞬間が大事だと思うんです。

古賀稔彦氏がホワイトボードに板書した内容、精力善用、自他共栄

「たら・・」「れば・・」と思うときというのは、ピンチのときです。

もう駄目だ・・・諦めよう・・・そう思うことって、人生で何度かあると思うんですね。

でも、そのあと、「こうありたい」と願う、「こうしたい」と望むことができたら・・・

どうしたらいいか誰かに「頼る」、「頼れる」自分であること。
ピンチから教訓を引き出すことができることができたら・・・知恵となるんです。

知恵を得ることができたら、行動に移せます。

行動に移せたら、エネルギーが湧いてきます。生きる力になるんです。

これからの人生の希望が湧いてきます。

ピンチを、これからの人生の希望を見つけ出すチャンスに変えることができるんです。

逆に、「こうありたい」と願わない、「こうしたい」と望まないとしたら・・・

どうしたらいいか誰かに「頼らない」、「頼れない」自分だと、

「ああすればよかった」「こうだったらよかった」という後悔しか残りません。

愚痴、言い訳を並べるようになります。

最初から諦めてしまって行動しない。

挑戦することなしに、自分は駄目な人間だ、と人生に絶望することになるんです。

自分のエネルギーをどう使うか?(=土)

自分で道場をやろうと考えたのは、現役を引退したあとで、
「自分と柔道が、自分の人生の最期の場面のときに、どんな関係でいれたらいいかな」
ということを考えたことがきっかけです。

柔道家 古賀稔彦氏僕は、死ぬまで柔道衣を着ていたい、と思いました。

死んだときに柔道場から柔道衣を着て、葬式を出したい。

じゃあ、そうやって死ねる場所、そういう柔道場ってどこにあるんだろう。

まさか他人の柔道場に行って、死なせてもらうわけにもいきませんしね。

そこで、自分の葬式のために(笑)、柔道場を作ることにしました。

1階が柔道場、2階が自宅、3階に露天風呂とBBQをやるスペースを作りました。

ローンを払うのに大変で、こうやって講演に飛び回っているんです(笑)。

死ぬにはまだ早いので、この柔道場を、
当たり前の大切さ、難しさをみんなで学ぶ場にしたい」と思っています。

トイレのスリッパが曲がっていたら、直しますよね?
廊下にゴミが落ちていたら、ゴミをつかんでゴミ箱に捨てますよね?

目の前のゴミをつかめない人間は、自分の夢をつかめない人間になるんです。

「精力善用」「自他共栄」

柔道の創始者、嘉納治五郎先生が言われた言葉です。
「精力善用」とは、自分の持っているエネルギーを、常によい方向に使いなさい。

「自他共栄」とは、人として生まれてきたからには、人の役に立てる人間になりなさい。
人を助けてあげられる人間になりなさい。

こういうことを、僕は道場で教えています。

自分を信じること、夢に向かって努力すること、受けた恩に恩返しすること、
ピンチのときにはどうすればよいか考えること、誰かを頼り、頼られることができる自分であること、
自分の持てるエネルギーをつねに良い方向へ使うこと。

いつもこうであることは難しいかもしれませんが、背筋のピンと伸びるような、勇気と希望の湧いてくるお話を伺ったひとときでした。

4大元素とは・・

この世界の物質は、火・風・水・土の4つの元素(エレメント)から構成される、とする思想です。
4つの元素は、土や水など、実際にその名でよばれている具体物を指すわけではなく、
物質の状態であり、様相であり、それぞれの物質を支える基盤のようなものだと考えられています。

火・・直観、行動力、意志、エネルギーそのもの

風・・知性、知識、決断、チャレンジ、試練、意識

水・・感情、愛情、共感、共鳴

土・・所有、物質、お金、目に見えるもの、豊かさ

*土以外の3つは、厳密には目で見えないものです

4大元素の考え方は、占星術やタロットにも応用されています。

4大元素を操るのは、人間

第5元素たる人間の自由意志に任されているのです。

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参考文献
古賀稔彦 名言集・ 格言 ~最大級~
古賀稔彦 ・ 吉田秀彦 バルセロナ五輪・柔道 (1992年) – YouTube
古賀稔彦 環太平洋大学の教授&柔道部総監督インタビュー
ウィキペディア(wikipedia)

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