Q.不登校になったら、どう過ごせばよいのでしょうか?
子供さんが不登校になった、とお母さんがスピカにご相談にいらっしゃいます。
子供が学校に行かなく(行けなく)なっちゃったんです・・・
もう1カ月になります。
あら、まあ・・・
わたし、櫻井みわが中学高校と不登校だったことを、プロフィールから確認されるようです。
前回の記事 不登校になったら、どうしたらいい? では、わたしがなぜ不登校になったのか、不登校のときにどのように勉強したか、ということを書きました。
こちらの記事では、不登校の子供さんと親御さんに向けて、不登校をどう理解するか、不登校を乗り越えて逞しく生きていってほしいという願いを込めて、書こうと思いました。
※櫻井は、父母ともに教員免許を持つ教育熱心な両親に、厳格な躾をされて育ちました。すべての不登校の子供さんに当てはまるわけではないことを予めお断りいたします。
不登校であることを、どう理解するか?
不登校とは、人生の一部分で、不適応を起している、と考えたらどうでしょうか。
学校にいる時間は、通学時間と部活動を含めて7時~19時だとすると、9時間から12時間くらいでしょうか。
一日が24時間とすると、学校にいる時間は、一日の1/2ですね。
一日の1/2に不適応を起しているだけで、人生すべてがダメなわけではないのです。
「学校へ行くのが子供の仕事」
「子供の問題は、母親の責任(なぜか、父親の責任、と言われることは無い)」
とか言われると、「それをできない自分はダメなんだ」と思ってしまいやすいのですけど。
たかが「(子供が)学校に行かない、行けない」というだけで、自分がダメだとか、人生がお先真っ暗だとか、思わないでほしいのです。
不登校について、正しい情報を得てほしい
今はいろいろとネット上に不登校についての情報があふれていると思います。
ですが、本当にためになるメディアは本当に少ない。
不登校に限らず、どんな事柄でも、きちんとお金を払って有料のコンテンツや本を読むほうが、よほど有用だと思います。
不登校について、わたしが現在、よく読んでいるのは、東洋経済オンライン上で無料で読める、不登校新聞の記事です。
データをきちんと読む、解析するという点では、文部科学省の公式発表「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」も参考になります。
お役所の調査資料なので、こちらも無料です。
図書館へ行ってみよう
もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。一日いても誰も何も言わないよ。9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館も思い出してね。
— 鎌倉市図書館 (@kamakura_tosyok) August 26, 2015
コロナ禍で図書館が休館していたこともありましたが、2022年9月以降は、きっと、そんなこともないでしょう。
本であれば、図書館で借りるという方法もあります。自習室を併設している図書館もあります。
クールシェア、ウォームシェアにもぴったりです。
不登校新聞
日本で唯一の不登校専門紙です。不登校新聞の特徴は、不登校・ひきこもり本人の声が充実していることです。これまで1000人以上の、不登校・ひきこもりの当事者・経験者が登場しました。
また、不登校、いじめ、ひきこもりに関するニュース、学校外の居場所情報、相談先となる親の会情報、識者・文化人のインタビューなども掲載されています。
紙面はすべて「親はどう支えればいいの?」という疑問点から出発していると言えます。
(東洋経済オンラインより抜粋)
公式HPはこちら↓
試し読みもできます。
学校へ行きたくない君へ
不登校新聞を発行しているNPO法人全国不登校新聞社の本です。現在、正・続と2冊発行されています。
不登校新聞で最も読まれているのが、インタビュー記事です。これまでのインタビュー記事から選び取った、とても面白い本を世に送り出せることになりました。
インタビューの聞き手は、不登校・ひきこもりの当事者・経験者である「子ども・若者編集部」です。
現在は、10歳から39歳まで、200人以上が編集部に在籍。ボランティアで新聞に関わってくれています。
北海道から九州まで、全国から月1回の編集会議のために東京に集まります。
彼らは、インタビュー候補者を挙げたり、さまざまな執筆企画を持ち込みます。
不登校新聞では、編集部のスタッフとともに、多くの場合、「子ども若者編集部」のメンバーが取材をしてインタビュー全体を構成し責任を持ちます。
インタビューの候補者を挙げる場合、「私が話を聞きたい人」に限定する決まりになっています。
「世のため」「人のため」は考えず、「私」が話を聞きたくて「私」が救われるために取材に行く、これが決まりです。
部員たちが依頼の手紙を書き、インタビューをします。
どの方たちも、若者たちが正面からぶつかっていくのに対し、真摯に向き合い、これまでのご経験や深い人生観をお話ししてくださいました。
(「学校へ行きたくない君へ」p4、p34~35、「続 学校へ行きたくない君へ」P3~4より抜粋)
実際に不登校の経験がある内田樹さんや、子供を持つ母として西原理恵子さん、田房永子さんのインタビューは興味深いです。
不登校であっても、人に対して心を開いてみてほしい
不登校新聞のインタビューでは、不登校・ひきこもりの当事者・経験者である「子ども・若者編集部」のメンバーが、依頼の手紙を書き、インタビューをしていますね。
たとえ相手が著名人であっても、こちらからお願いする勇気と、ご縁があれば、会えるんですよ!
行ってごらん、会ってごらん
亡くなった動物学者、日高敏隆さんは、著書のなかで以下のように述べています。
家を訪ねていいですか、と言われたら、僕は、いいですよ、会いましょうという。
(中略)
会いたい先達がいたら、素直に直接ドアをノックしてみるといい。
案外、その人は、あとに続く世代を引き立てたい、訪ねてくる人にはいつでも会おうと思っているかもしれない。
そのようにして人はつながってきたと思うし、ぼくもそうしてきた。これからも、それを続ければいいのではないだろうか。
(「世界を、こんなふうにみてごらん」日高敏隆 p99~102より引用)
赤の他人のほうが、安心して付き合いやすいかも
わたしは不登校時代、毎週土曜日の午後、母の友人の女性宅に遊びに行っていました。
おばちゃんは、わたしが不登校だったことを知っていたと思いますが、そのことについて触れることはありませんでした。
その代わり、一緒にケーキを焼いたり、子供さんをプール教室に送迎する車に乗せてもらって、途中で本屋さんに寄り道したりして過ごしました。
直接の利害関係のない母の友人だったから、安心して遊びに行けたようにも思います。
母とケーキを焼いても気が滅入るだけだったかもしれません。
ケーキをつくっている最中、母親がもし、こんな発言をしたら。
そろそろ学校に行かないと、進級できないわよ!
.......
種がべっとりついた泡だて器を、投げつけていたでしょう。
会いたいと思う人には、会いに行ってみよう
わたしは大人になって、多少のお金と時間が自由になったので、会いたい人には会いに行くようにしています。
インターネットで探すと、彼らが登場するイベントや講座が(大抵は有料ですが)あるんですよね。
子どもの頃、大好きだった絵本「ぐりとぐら」「いやいやえん」の作者、中川李枝子さん。
夢中で見ていたアニメ、宇宙戦艦ヤマトの作者、松本零士さん。
初めてフェミニズムに触れるきっかけとなった、小倉千加子さん。
浪人時代、エッセイや小説をむさぼるように読んだ、佐藤愛子さん。
佐藤愛子さんは、今、人生100年時代のアイドルでいらっしゃいますけど(笑)
心を開いて、正直に話してみよう
朝日カルチャーセンターで小倉千加子さんにお会いして本にサインをしていただいたとき、
「どうして【シュレーディンガーの猫】が一番好きなんですか」と聞かれました。
わたしはまだそのころ、心を開いて正直に話す、というのが苦手だったのです。
焦って、本のページをぺらっとめくってみて、「中村うさぎ論」のページが出たので、
わたしは中村うさぎさんが好きで、先生と中村うさぎさんとの対談も読んでいるからです。。
先生、「・・・・・」
それなら、中村うさぎさんとの対談本を持ってくるべきでしょう。
本当は、
わたしは占いが好きで、西洋占星術を勉強しているんですけど、先生が、「占いと心理学」という記事をこの本に書かれていて、阪神大震災の死亡者の名前から、姓名判断の吉凶は当たらない、と書かれているからです。
と言うべきでした。
そうすれば、もっと、先生と話が盛り上がったに違いない。
その後、小倉千加子さんとお会いする機会が全く!なくて、後悔するばかりなのです。
だから、自分の心を開いて、正直に気持ちを直球で語ってみてほしい。
そうすれば、相手からも、直球の答えが返ってくるでしょう。
今現在、わたしは医療現場と、占い・カウンセリングの現場で、依頼者さまとお話していますが、
相手からどう思われるかを気にせず、自分の気持ちを正直に語ってほしい
と思うのです。
信用できない人間もいるが、ご自分が思っているよりも、信用できる人はいるよ。
一応、日本は憲法で「思想の自由」というのが保証されているので、自分の思いを語るだけで殺されることはないよ。
と、今、不登校や引きこもりの人に言いたいのです。