魔法魔術学校の必修科目とは?
2021年の秋、コロナウィルス感染者も激減した頃合いを見計らって、「ハリーポッターと魔法の歴史」展に出かけてきました。
【開催期間】
〈終了〉兵庫県立美術館:2021年9月11日(土)~11月7日(日)
東京ステーションギャラリー:2021年12月18日(日)~2022年3月27日(日)
東京でのチケットは日時指定制の事前購入のみです。
わたしは、日時指定のチケットを事前購入して、兵庫県立美術館のほうへ出かけてきました(^^)/
ハリポタ展に行った感想
「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展では、原作者J・K・ローリング女史の直筆原稿やスケッチに加えて、大英図書館が所蔵する、魔法や魔術に関する資料を10の章にわけて展示されています。
6年前、「魔女の秘密展」が全国各地で開催されましたが、ハリポタ展では、「魔女」「魔法使い」がどういう技術を持って、どういう研究をしていたのか、学術的な資料と併せて、魔法の世界を現代に蘇らせたローリングさんのファンタジーの世界が繰り広げられていて、とても楽しめました。
展示の背景にも魔法学校の図書館のような絵が描かれていて、おもしろかったです(^^♪
事前に、NHKカルチャーセンターで岡本弘毅さん(兵庫県立美術館学芸員)のオンライン講座「ボグワーツ魔法学校 入学準備会」を受講。
予習の甲斐あって、一つ一つの展示がとても興味深く、理解が深まりました。
本稿では、岡本弘毅さんや門屋秀一さん(立命館大学非常勤講師)の講座で得た知識、展覧会のチラシからお借りした写真を合わせて、現代のわたしたちも使うことのできる魔法について書きたいと思います。
魔女、魔法使いの必修科目
魔女や魔法使いは本来、化学者、錬金術師、薬剤師であり、哲学者であった、と門屋秀一さんは言います。
「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展でも、ハリーが通ったボグワーツ魔法魔術学校の科目に沿って展示されています。
「魔法とは、ただ杖を振っておかしな呪いの言葉を発するだけじゃないんだ!」
薬草、呪文、天文、占い・・。ようこそ魔法魔術学校へ。
第1章 旅
キングス・クロス駅のプラットホーム 9と3/4番線に機関車が到着。
ハリーは、これからどんなことが起こるのか、不安と期待の入り混じった面持ちで、フクロウと荷物のそばに佇んでいます。
旅は占星術で9ハウス。9ハウスは「未知の世界、はるか遠く、哲学」を象徴します。
植物園に勤めていたジム・ケイの描く絵の中で、わたしはこの絵が一番好きです。
ハリーポッターと賢者の石(原題:Harry Potter and the Philosopher’s Stone)は、直訳すれば、「賢者」というより、「哲学者」の石ということですね。
第2章 魔法薬学
中世の医師たちは、患者の尿と占星術の表を用いて病を診断し、治療法を決めていたそうです。
インド占星術では、赤ちゃんが生まれたらすぐにホロスコープを作って、「長生きできそうか、そうでないか」をみるそうです。。。
現代でも、検尿や採血でデータを取りますね。
東洋医学では、「望診」といって、白目が赤くなっているとか、皮膚がどす黒くなっているとかを観ることがあります。
アロマテラピーも、現代の魔法薬学かもしれませんね。
第3章 錬金術
中世から近世の化学者たちは、錬金術の研究に日々勤しんでいました。
錬金術とは、
- 卑金属(容易に酸化する金属)から黄金(金、Au)を作り出す技術
- 不老不死の薬を作り出す技術
- 賢者の石を作り出す技術
のことを言います。
17世紀に描かれた「錬金術師の研究室」。
研究室には地球儀、本、容器が置かれた仕事部屋の中央に、フラスコらしきものを持った錬金術師が魔女?と話をしています。
万有引力の法則を発見した、アイザック・ニュートンは、「最後の錬金術師」と自ら名乗り、晩年のほとんどを錬金術の研究に費やしたそうな。
現代の錬金術
【黄金を作り出す技術】
故ルネ・ヴァン・ダール先生は、
「錬金術の真の目的は、黄金を作り出すことではなく、人間を鉛のような状態から黄金のような状態にかえる方法、つまり人間が天使になる秘法だったのです」
と、「ルネの超能力入門」で錬金術(アルケミイ)体操を紹介されています。
アルケミイ体操は、ヨガのポーズにそっくりだと思い、東京のルネ研究室に通う代わりに、わたしはヨガのレッスンに通っていました。
【不老不死】
「不死」は難しくとも、現代は寿命が延びました。
「不老」=アンチエイジングのための化粧品やサプリメントはあふれていますね。
【賢者の石】
「賢者の石」は、大阪市立科学館にあるそうです。
あるそうです、というのは、現在休館中の大阪市立科学館のオンライン連続講座で、くすんだ赤色の結晶を見せてもらったから。
意外に簡単に作れるのかもしれません。
ご興味のある方は、大阪市立科学館が2022年2月にリニューアルオープンしたら、ぜひご覧になってみてください(^^♪
大阪市立科学館の連続オンライン講座のご案内はこちらからどうそ。
第4章 薬草学
魔法魔術学校の薬草園に植えてあるマンドレイク(別名、マンドラゴラ)。
呪いによって姿かたちを変えられた人を、元の姿に戻すために使われる薬草です。引き抜かれるときに奇怪な声をあげ、それを聞くと発狂して死んでしまうという伝説もあります。
日本で目にする機会は少ないですが、ヨーロッパに自生するナス科の植物で、根が太く股が割れて、奇怪な形をしているそうです。
薬草といえば、「切り傷にはヨモギの汁をつければよい」とか、「風邪をひいたときにはネギを首に巻く・大根シロップを飲めばよい」とかいった、民間伝承を思い浮かべます。
第5章 呪文術
「ハリー・ポッターと賢者の石」のなかで、魔法学校の案内人ハグリッドがダイアゴン横丁(わたし、どうしてもダイコン横丁だと思ってしまう(笑)の壁を叩くと、別の商店街への入り口が現れます。
現代でも、わたしたちの生活の中に呪文は溶け込んでいます。
例えば祝詞を上げる、お経やお題目を唱える、十字を切る、など。
神社でお守りをいただいたり、ご祈祷をお願いしたりもしますね。
第6章 天文学
夜ごとに星空を見上げ、星や惑星の動きを観察するのは、魔法使い(科学者)の必修科目でした。
「占星術が上達したい、ホロスコープを読めるようになりたい、と思ったら、毎晩星を見上げることだ」
と、兄弟子の芳垣宗久さんに教わりました。
夜空を見上げ、月がどこにあるか、満ちていくときか、欠けていくときかを見てみましょう。
一等星の名前を言えるようになればしめたもの。
わたしは時々、科学館のプラネタリウムに出かけています。
第7章 占い学
「占い学は魔法の学問のなかで一番難しい」
と、ホグワーツ魔法学校の占い学シビル・トレローニー教授はいいます。
飲み終わった紅茶の茶葉で占う「ティー占い」は日本ではあまり普及しませんでしたが、手相やタロットカードはお馴染みではないでしょうか。
第8章 闇の魔術に対する防衛術
中世、近世の人たちが恐れたのは、病気や悪霊に付け込まれること。
病魔や悪霊の攻撃から身を守るために、さまざまな防衛魔術が編み出されました。
ウォーターハウスの描く「魔法円」では、魔女が結界を作るために魔法円を描き、魔法円の中でなにかぐつぐつと煮ています。魔女のペットであるカラスたちが、魔法円のそとで見守っています。
現代のわたしたちも、お葬式や通夜から帰ったら、玄関の前で塩をまきますね。
神社でお祓いをお願いしたり、紙製の人形(ひとがた)に、自分の心身のけがれや災いなどを移して、川や海に流す「人形流し」もあります。
第10章 過去、現在、未来
現代のわたしたちは、100年前の人たちからみれば「魔法の世界」に住んでいるように見えるでしょう。
地球の裏側の人に、飛行機で会いに行ける。オンラインで、リアルタイムで顔を見ながらお話できる。
原作者J・K・ローリングさんの頭に浮かんだ空想が現実世界の中で本として出版されました。
ローリングさんのメモ「ハリー・ポッターとダーズリー家のスケッチ」「魔法魔術学校のスケッチ」「ホグワーツの科目と教員のリスト」には、登場人物のキャラクターや学校の様子が生き生きと描かれています。
ローリングさんが生活保護を受けるほどの困窮生活から一変、作家としてお金持ちになったことが、「ハリー・ポッター」シリーズ最大の魔法かもしれません。
ローリングさんの魔法の最初は、原稿を送って出版依頼をしたこと。一度ですんなり出版が決まったわけではなく、12の出版社に断られたそうです。
「魔法とは、自分の信念や思いが、行動することで現実になること」なのだと、改めて感じました。
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