冥王星が移動するとき、時代は大きく変化する

冥王星のクレーター画像 時事通信社HPより
冥王星が2024年11月20日、水瓶座に完全に移行しました。
冥王星が星座を移動する1年前後、「まさか、こんなことが起こるなんて」と、みんなが衝撃を受けるような出来事が起こっています。
そして、その影響は長く続きます。
今回の記事では、冥王星が射手座、山羊座、水瓶座に移動した前後1年で起きた出来事と、それぞれの時代を占星術で考察しようと思います。
※冥王星が公転速度が遅く、逆行するため、星座を移動しても前の星座に戻ることが多く、完全に星座を1~2年かかることもあります。
振り返り:占星術での冥王星と冥王星蠍座時代

冥王星 時事通信社HPより
冥王星のシンボル :♇
冥界の守護神プルート(ギリシャ神話ではハーデス)の頭文字から
支配する星座(サイン): 蠍座 ♏
冥王星のキーワード:生と性、死と再生、破壊、欲求、根源的な変化、富、支配
冥王星が絡むと、「巨」「強烈」「深刻な」という表現がぴったりだと感じています。
天文学・占星術における冥王星の意味と、冥王星蠍座時代を考察したブログはこちら↓

1995年1月 冥王星が射手座に移動
1995(平成7)年1月17日、冥王星は射手座に移動しました。
まさに当日の早朝、阪神淡路大震災が発生。
1995年4月下旬~11月上旬、蠍座に一旦戻りますが、11月11日、射手座に移動を完了します。
1995年は大きな出来事が続きました。個別に書いた「阪神淡路大震災」「地下鉄サリン事件」「Windows95の発売」のほか、
- 野茂英雄がドジャースに入団。日本の野球選手がアメリカで活躍する道筋をつける
- 正規雇用と非正規雇用者の数が逆転。その後「ワーキング・プア」と言われる働き方が顕在化
など、日本の社会に大きな衝撃を与えた出来事が相次ぎました。
1995年1月 阪神淡路大震災

阪神電鉄の被害状況(神戸市東灘区) オープンデータより
1995年1月17日午前5時46分、淡路島北部を震源としてマグニチュード7.3の地震が発生。
戦後初めての大都市直下型地震として、神戸市を中心に兵庫県南部の大阪湾を囲む地域に被害をもたらし、死者6434人、行方不明者3人、負傷者4万3792人という甚大な被害となりました。
被災した人たちの多くは、プライバシーの配慮がない体育館に、集団で寝泊まり。1月という厳寒のさなか共同生活を強いられたため、避難所ではインフルエンザも大流行しました。
昨今では、当時の避難所の中で男性から女性に対する暴力、性虐待などもあったことが明らかにされています。
1995年3月 地下鉄サリン事件
1995年3月20日、朝の通勤、通学の時間帯に、新興宗教団体「オウム真理教」のメンバー5人が東京都心の地下鉄の3路線で猛毒のサリンをまいた。乗客・駅員計14人が死亡し、約6300人が負傷する大惨事となった。
多くの信者を「マインドコントロール」で洗脳し、大都市の中枢で化学兵器を使う手口は世界に衝撃を与え、20世紀末の日本社会を大きく揺るがした。
わたしは、オウム真理教が起こした数々の悲惨な事件もさることながら、麻原彰晃(松本智津夫死刑囚、2018年7月に死刑執行)が、奥さんの他にも、数人の女性信者に子供を生ませていたことにも驚きました。

二つの事件が続いた1995年、世の中は天と地がひっくり返ったような状況で、わたしは生きた心地がしませんでした。
1995年11月 Windows95 発売
1995年11月23日、Microsoft Windows 95が日本で発売開始。
職場や家庭でパソコンがひろく使われるようになり、作業の効率化、インターネットの普及など、わたしたちの日常が劇的に変化しました。
占星術で考える冥王星/射手座時代のイメージ
1995~2008年が冥王星射手座時代。
射手座は、自由や変化、スピードを表すサイン(星座)です。また、理想を追求する性質もあります。
冥王星/射手座時代のイメージ
- 自由、変化、スピード
- 移動や通信手段の激変、新しいネットワークの構築
- 「個人の意志の尊重」が、失敗しても「自己責任」と言われるように
Windows95が発売されたことで、新しい通信手段ができ、わたしたちの生活スタイルも激変することになりました。
遠くの人とつながったり、商品を購入したりする場面で、それまでは電話や郵便、電報、FAXを使っていたのが、パソコンの前に座っていれば完了する。
直接顔を合わせたことがない人とも繋がることができる。
昭和以前と比べると、windows95以降の時代は、情報量が増え、時代の変化が劇的に早くなりました。
また、「会社に拘束されることなく、自由なライフスタイルを送ることができる」という触れ込みで人材派遣業が発展します。
今考えると、ちょうど「失われた30年の始まり」であった不景気な時代、20代~30代でフルタイムの非正規雇用者として働く人が増加しました。
低賃金で昇給のないまま働かざるを得なかったり、不当に解雇されたりしても、
「自分の意志」で選んだことなのだからと、必要以上に「自己責任」だと言われるようにもなりました。

わたしは、阪神大震災やオウム真理教事件が起こった1995年の12月、原宿カウンセリングセンターを設立しました。
信田さんによると、阪神大震災やサリン事件を通じて、「トラウマ(災害や被害、虐待など、精神的に衝撃を受ける体験)」や、「PTSD(トラウマから発生する心理的・身体的な反応)」が認知されるようになったそうです。
2008年 冥王星が山羊座に移動
2008(平成20)年1月26日、冥王星が山羊座に移動。
移動した当日の早朝、午前4時33分に北陸地方で地震発生し、石川県輪島市で震度5弱、穴水町では震度4を観測。
2008年6月中旬~11月下旬、冥王星は射手座に戻りましたが、11月27日、山羊座に移動を完了します。
2008年は「リーマンショック」のほか、
- いざなぎ景気(57カ月)を超えた戦後最長の景気拡大から景気後退へ
- オバマ大統領誕生
- 少子高齢化が進み、日本は人口減少に転じた
が起こり、時代が次のステージに移ったと分かる出来事が続きました。
2008年1月 交通系ICカード「PASPY」導入

ICカード「パスピー」
広島県限定のトピックスで恐縮ですが・・・
冥王星が山羊座に移動した2008年1月18日、まさにその日、公共交通機関にICカード「PASPY(パスピー)」が導入されました。
パスピーが使えたのは、広島県内のほぼ全域の公共交通機関。
路面電車(市電)、バス(広島電鉄、広島、広交、芸陽、中国JR、備北交通、鞆鉄)、アストラムライン(モノレール)、宮島フェリーや宮島ロープウエーなど。
広島市内に通勤・通学する人たちは、ほぼ持っていました。バスに乗る高齢者も8割がたお持ちでした。
これほど広島県民に愛されたパスピーも、老朽化によるシステム更新費用の負担が大きく、2025(令和7)年3月末に廃止。各社個別に、システムを導入することになりました。
ローカルな地域を表す冥王星山羊座時代に開発・愛用され、冥王星が水瓶座に移動を完了したのち、2025(令和7)年3月末に廃止されたのも、非常に興味深いです。
2008年4月 後期高齢者医療制度開始
75歳以上の約1300万人が加入する「後期高齢者医療制度」(長寿医療制度)が4月にスタートした。
高齢化で増え続ける医療費について、高齢者と現役世代の分担割合を明確にすることなどが導入の狙いだったが、当初から「年齢で区分する差別的な制度」との批判が噴出した。
それまで加入していた国民健康保険などと比べて保険料が急激に上がった人も多く、厚生労働省の説明不足が批判の的になった。年金から保険料を天引きする仕組みも反発を招いた。
(時事ドットコム より引用)
※介護保険制度は、高齢者の介護を社会全体で支え合うことを目的に、2000(平成12)年4月に創設。
2008年9月 リーマンショックから世界金融危機へ
米国の住宅バブルが崩壊し、低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付きが多発したことで、米欧金融機関の経営が急速に悪化、世界的な金融危機に発展した。
9月には、米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)を受け、危機が深刻化。
米株価が暴落し、ダウ工業株30種平均は史上最大の下落幅777ドルを記録した。株価は約4年ぶりに1万ドルを割り込んだ。
リーマンショック後、米国発の金融不安が世界中に拡大し、東京株式市場でも株価が大暴落。
日経平均株価は10月27日、終値ではバブル後最安値となる7162円90銭まで下落した。1982年10月以来およそ26年ぶりの低水準だった。昨年末からの下落率は最大53%超に達し、企業活動や個人消費の冷え込みに拍車を掛けた。
(時事ドットコム より引用)
2008年後半、派遣切りや解雇が相次ぎ、生活困窮者が増えた状況を受けて、2008年12月~1月、東京の日比谷公園で「年越し派遣村」が開設されました。炊き出しに多くの男性が並びました。
占星術で考える冥王星/山羊座時代のイメージ
2008~2024年が冥王星山羊座時代。
山羊座は、ローカルな地域、常識、社会性を表すサイン(星座)です。また、分かりやすい結果を重視する、保守的な性質もあります。
冥王星/山羊座時代のイメージ
- 社会構造が成熟し、成長モデルから成熟モデルへ転換
- 新しいビジネスモデルの構築
- 富の一極集中、偏在
2008~2024年に起こったエポックメーキングな出来事を3つ挙げるとしたら、
- 2008年 リーマンショック
- 2011年 東日本大震災
- 2020~2022年 コロナウィルスが世界中で流行
リーマンショック、コロナショックでは、非正規雇用の労働者を中心に仕事を失い生活に困る人たちが急増しましたが、なかでも
- リーマンショック:男性の非正規労働者
- コロナショック:女性の非正規労働者、世話が必要な幼児~小学生低学年までの子供を持つ母親
に多くの負担、しわ寄せがかかりました。
「失われた30年」の間に、いつの間にか日本の社会構造が激変。

ウーマンズラボ「昭和60年〜令和の家族形態の変化」より
日本では高齢者人口が右肩上がりに増加し、高齢者のみの世帯、一人世帯の割合が、夫婦+未成年の子供世帯の数を上回っています。
夫婦共働き世帯も増加し、1999年には専業主婦世帯の数と逆転。社会保険基準の基礎されてきた「標準世帯(働く夫と専業主婦、子供2人)」モデルが現実とそぐわなくなっているのです。
自然災害も毎年のように発生するようになっています。
2011年に起きた東日本大震災では、地震・津波による被害だけでなく、福島原発事故発生で、広範囲にわたって長く影響を受けることとなりました。

ある出来事の被害は、終わったあとで出てきます。東日本大震災のあと数年経って、うつ病、DV、ギャンブル依存症が増えました。
インターネットの普及に伴い、インターネットビジネスが台頭。世界のビジネス勢力図も変わりました。
製造業や金融業に変わって、GAFAと呼ばれるGoogle、Amazon、 Meta(フェイスブック)、 AppleといったIT事業を軸にしたビジネスが台頭してきました。
コロナ禍を経て、地域や場所を選ばない働き方が注目されるように。
世界における日本の地位の低下(経済力を含めて)、日本国民のあいだでも貧富の差が拡大していることが明らかになってきました。

コロナ後、株価が急上昇したことを受けて「FIRE(経済的自立と早期退職)」が話題になりました。
2023~2024年 冥王星が水瓶座に移動
冥王星は山羊座から水瓶座に移動を完了するまで、2回の逆行を挟んで1年8カ月かかりました。
2023(令和5)年3月24日、冥王星は水瓶座に最初の移動をします。2023年6月~2024年1月まで冥王星は山羊座に戻りました。
2024(令和6)年1月21日に水瓶座に2度目の移動。9月~11まで山羊座に戻っています。
2024年11月20日、冥王星は3度目の正直で、水瓶座に移動を完了。
以後、2044年まで水瓶座に滞在します。
2023年から2024年にかけて起こった出来事として「コロナ禍の終了」「能登半島地震」「103万円の見直し」のほか、
- アメリカではトランプ大統領が4年ぶりに再選
- 急激な出生数の減少(2024年は初めて70万人を割り、9年連続の減少)
- 食品や生活必需品を含む、物価の高騰
「もうこれまでのやり方ではやっていくことができない」とはっきり分かる出来事がありました。
2023年3月 コロナ大流行の終わり

新型コロナウィルス 国立感染症研究所提供
3年にわたって世界中が大混乱に陥ったコロナウィルス流行も、冥王星が水瓶座に1回目に移動する前後に終わりを迎えました。
冥王星が水瓶座に最初に移行した翌日の2023(令和5)年3月25日、自衛隊が東京と大阪に設置した新型コロナワクチンの大規模接種会場が終了しました。
利用者が減少したことや、新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行されることなどを受けて、25日で接種を終え閉鎖されました。
2019(令和1)年12月に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。

NHK | News Up | 新型コロナウイルスより
2020(令和2)年1月30日、WHOにより国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)が宣言されましたが、2023(令和5)年5月4日に解除されました。
日本では2023年5月8日から感染症法上の5類に移行され、緊急事態宣言による行動制限や、入院勧告などの対策は行われなくなりました。
また、マスクの着用などの感染対策も、基本的に個人の判断に委ねられるようになりました。
2024年1月 能登半島地震

震災前後の比較写真 石川県HPより
2024年1月1日16時10分ごろ、石川県能登地方でマグニチュード7.6の能登半島地震が発生しました。最大震度7を観測し、津波や火災による複合災害で家屋10万棟以上が損壊、死者は618人にのぼりました。
地震の復旧に際して、水道や電気といったライフライン復旧の長期化、耐震性の低い住宅の倒壊、孤立集落の発生など多くの課題が浮き彫りとなりました。
2025年7月現在も、仮設住宅の整備や地域再建が進められています。
2024年11月 「103万円の壁」見直しへ
「103万円の壁」は、年収が103万円を超えると所得税が課され、扶養控除の対象外となる税法上の境界線です。
壁を超えないように働く、既婚女性や学生の「働き控え」が問題視され、国民民主党の玉木雄一郎代表は「国民の手取りを増やす」と訴え、与野党を巻き込んだ議論が展開されました。
しかし、社会保険料の負担が発生する「106万円」「130万円」の壁は依然残され、手取りが減少する“逆転現象”も続いています。
2025年以降、制度改正により壁の引き上げが進められていますが、保険料負担の不公平や制度の複雑さなど、根本的な課題は未解決のままです。
占星術で考える冥王星/水瓶座時代のイメージ
2023~2044年が冥王星水瓶座時代。
水瓶座は、自由・平等・博愛、既存のルールを超えた思考を表すサイン(星座)です。
また、技術革新や社会を改革する性質もあります。
冥王星/水瓶座時代のイメージ
- 「レス」の時代
- 家族、地域、国家といった社会構造の解体と再構成
- 個の確立と新しいつながり方の模索
冥王星が水瓶座に入るとき、個と社会、自由と権力、テクノロジーと倫理などのテーマに深い変容が起きます。
社会構造の刷新や集合意識の転換が促される時期とも言われます。

ボランティアセンターの学生たち 神戸女子大学HPより
日本は少子高齢化が進み、冥王星が山羊座に移動した2008年に人口減少に転じました。
冥王星が水瓶座に2度目に移動した2024年は、初めて出生数が70万人を切り、68万人強でした。
国の将来推計よりも15年ほど早いペースで少子化が進行していることが指摘されました。
家族構成の変化も併せて、「さらなる人口減少」「ジェンダーレス」「エイジレス」「キャッシュレス」な時代になるのではないでしょうか。
冥王星は目には見えない深層を揺るがし、破壊のあとに新たな秩序や意味を生み出す力を象徴する天体です。

石川県輪島市在住 吉岡栄一さんの写真
1995年の阪神淡路大震災、2024年の能登半島地震は、物理的な崩壊とともに「社会の在り方」「人とのつながり」「地域の誇り」といった根源的な価値が問い直される契機となりました。
コロナ禍を経て、水瓶座が象徴する「個の尊重」や「新しい結びつきの形」が少しずつ浸透していったようにも感じられます。
家族や地域が「血縁」「地縁」だけでなく「共感」や「協力」によって築かれる時代へと移ってきている、とも言えそうです。
SPICA の セッション のご案内
広島市中心部にある healing space SPICA。
県外からも多くのお客さまが、結婚や仕事、ご家族のことで相談にいらっしゃいます。
冥王星のキーワードは 「変容、困難な状況のなかでどう生きるか、どう苦難を乗り越えるか」 ということ。
傷ついた辛い経験から、どうやって立ち直り、どう生きていきましょうか。
ひとりで不安なとき、どうすればよいか分からないとき、どうぞ healing space SPICAの扉を叩いてみてください。
どうすればよいか、現実に対処する方法も一緒に考えていきます。
スピカのセッションは、櫻井みわが学んできたすべてが凝縮された、スピリチュアルなセッション。
占星術やタロット、人相術といった占い
人生全体を捉えたキャリア(心理)カウンセリング
魂とはなにか、どう生きればよいかというスピリチュアルな思想・哲学
法律・医学・心理学・社会学など、櫻井が学んできた知識と経験
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あなたの辛い、切ない思いに寄り添い、不安や怒り、悲しみを手放し、
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