「相性をみてください」と言われたら

この記事では、

• 相性が良い・悪いをどう占うのか
• 相性別に重視するポイント
• 「相性が悪い」と言われたらどうすればよいか
• 実際にホロスコープで夫婦の相性を占う

についてお話していきます。

Ｑ．「相性が良い・悪い」をどう占うのですか？

「相性を占ってほしい」というご依頼をお受けするとき、

身内かそうでないかの区別はありますが、スピカでは最初にそれぞれのホロスコープを作成し、占っています。

Ａ．相性を占う前に、それぞれの本質を知ることが大切です

相性を占星術で占う手順

healing space SPICAのセッションでは、いきなり相性を占うことはしません。

1. お二人それぞれの出生ホロスコープを作成し、占う
   最初に、お二人がどのような性質を持ってお生まれになっているのか、どういう価値観をお持ちか、リーディングします。
   2人の出生図で似ている配置はないか？というのもポイントです。
2. お二人それぞれのプログレス・トランジットホロスコープを作成し、現在の状況を確認する
   例えば、結婚を考えるタイミングだとか、会社で昇進・昇格する時期に当たっているとか、星の動きからお二人それぞれの時期をみていきます。
3. 最期に、お二人のホロスコープを重ね合わせて、どういう相性かを占う

※　結婚や離婚のタイミングを見る必要がない場合、時間が足りない場合、2を飛ばして1→3の手順で占うこともあります。

恋愛、結婚、家族、仕事の相性では、見るべきポイントが違う

相性と一口に言っても、

• 恋愛
• 結婚
• 家族（親子）
• 仕事

で、見るべきポイント（天体）は異なります。

• 恋愛では、金星と火星（性的に惹かれるかどうか）
• 結婚では、月（素の要素）と、木星（周囲のサポート、楽観性）と土星（困難に耐えうるかどうか）
• 家族（親子）では、月（素の要素）と金星（好み）、水星（コミュニケーションのスタイル）
• 仕事では、水星や火星（仕事のやり方やスタイル）

の状況と相互作用を多めにみます。

「相性が悪い」と言われたら

これを言うと身もフタもないのですが、

100％、ぴったりよい相性はありません。
100％、全然合わない相性も、おそらくありません。わたしはみたことがありません。

そもそも、お相手に興味を持ち、繋がりを持った段階で、どこかしら惹かれる要素があったからですよね？

どこに惹かれるのか、どこで反発してしまうのか、明らかにしていくことで、今度どうすればよいかみえてきます。

もし、「相性が悪い」と占い師さんに言われたら、

と聞いてみてください。

以前書いたブログで、「占いで悪いことを言われたら・・・」という記事があります。こちらもぜひご覧ください！　↓↓↓

占いで悪いことを言われたら・・・・

占いで怖いことを言われたらいやだな、と思って、占いに行くのをためらう女性は多いですよね・・・占い師に...

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実際に夫婦の相性を占ってみる

野村克也元監督と沙知代夫人。
お二人ともすでにお亡くなりになっていますが、再婚同士で夫人の最期まで50年近く連れ添われた、という絆の強さに敬意を表して、実例として取り上げさせていただきます。

今回は、お二人の出生図と2重円をリーディングします。

※参考文献として「ありがとうを言えなくて」野村克也著　講談社　を参照し、野村克也さんの語ること（ブルーで以下表示）と重ねてみていきます。

野村克也さんの出生図を読む

野村克也さんは1935年6月29日生まれ。出生時間が分からないので、正午でホロスコープを作成しています。

1．太陽が蟹座7度（数え度数、以下同）、木星/蠍座14度、土星/魚座10度で水のグランドトライン（GT）を形成。
水のGTに対し、海王星/乙女座13度、天王星/牡牛座5度で2つもカイトを描いています。

太陽に対して外惑星が4つもサポートしており、非常に強い運の持ち主でいらっしゃいます。
特に蟹座の太陽は「育てる」「ファミリーやチームを形成する」要素が強く出ます。

木星・土星とも伸ばす・指導する天体。
太陽・木星・土星の水のGTは、指導者・教育者としても優秀で、特に感情面でのフォロー、気力を充実させることが巧みでらしたのではないでしょうか。

2．月は双子座11～22度にあり、火星/天秤座とトライン。本人の勝負強さと身体能力を裏付けます。

月は（ゆるやかに）キロンと合、土星と（オーブ広めの）スクエア。
月を母親や妻とみなした場合、身内の女性に対する傷、申し訳なさ、負い目といったものを感じます。

野村克也さんは、3歳のときに父親が戦争で亡くなり、父親の顔を知らないそうです。戦争未亡人になった母親は小さな食料品店を切り盛りし、女手ひとつで兄弟を育ててくれたそうです。

貧乏暮らしで、満足にグローブも買えなかったけど、中学・高校時代、野球の才能だけはあった。
大金を稼いで、少しでも母親に楽をさせたいと思って、野球選手になった。

母のためにとプロ野球選手になり、私は、地位も、名誉も、金も、手に入れた。だが、母にしてやれたのは、田舎に小さな家を買ってやったことだけだった。
もっと、何かしてあげられることがあったのではないか。
今も時折、そんな思いに苛まれる。

野村克也さんは、沙知代夫人の納棺のとき、
いまさらながら、彼女に惹かれた理由が分かった。
おふくろによく似ている。
気の強いところだけではなかった。鼻ぺちゃなところもそっくりだった

3．水星は双子座26度、本来の座にあり、ノーアスペクト。

ノーアスペクトの水星、しかも支配する双子座にあるので、移動も苦になるどころか、気が紛れて楽しいタイプで、コミュニケーションも含めて水星の力は思う存分発揮できる、と思われるのですが、、

1980年代バブルの頃は、野球解説だけでなく講演の仕事もこなし、1日に3回講演することもあった。
ネームバリューがあって、話が面白くて、ギャラが安い。だから次々と仕事が舞い込んだ。
だが、人前で話すことが大の苦手だった私にとって、講演ほど不向きな仕事はなかった。
講演を受け始めたばかりの頃、私はストレスで円形脱毛症になっていたようだ。

サポートのない水星を使う仕事はストレスが強かったのでしょうか。

双子座には月もあり、「あちこち出かけて、話す」ことは得意な方だと思われるのですが、、
本人の語ることを聞き、ホロスコープを見つめると、興味深い発見が多くあります。

4．金星は獅子座22度。双子座の月とセクスタイル？

獅子座の金星はゴージャスなものが好きで目立ちたがり屋の気質が強く出ます。このあたりも一流選手・一流監督で居続けるには、必要な要素だったでしょう。

わたしは劣等感の塊だ。それゆえ、とにかく人からうらやましがられたい。
外国製品は「舶来品」などと呼んで珍しがられた。
とにかく人が持っていないものを身につけたかったし、外国産だとそれだけでいいと思った。

東京で家を建てた場所は、東京で成功した証として、永田町でもなく、新宿でもなく、田園調布だった。

野村沙知代さんの出生図を読む

野村沙知代さんは、1932年3月26日生まれ。出生時間が分からないので、正午で作成しています。

1．太陽は牡羊座6度にあり、土星/水瓶座3度とセクスタイル、海王星/乙女座6度と150度。

35歳の野村克也さんと最初に出会ったとき、沙知代さんは38歳。すでにボウリング用品の輸入代理店の代表取締役社長だったそうです。

結婚後は野村克也さんの講演会などのマネジメントも引き受けておられたそうで、沙知代夫人は、うまく土星の「管理する」「上に立つ」という資質をお使いだったのでしょう。

難しいのは、太陽と海王星が正確に150度を形成していることです。

占いが好きで霊感も強かったと思われますし、芸能界で一時期活躍されていて、うまく海王星の力を引き出せていた部分と、幻惑させる部分のコントラストが強烈です。

2．月はおそらく蠍座20～30度、火星/魚座24度、ドラゴンヘッド/魚座27度、冥王星/蟹座20度と水のGTを形成。
金星/牡牛座20度がカイト。金星は本来の座にありますが、キロンと合。

沙知代夫人は、月が水のGTの中心、金星がカイト。
月/蠍座の忠誠心、集中力、冥王星の破壊力と回復力。
火星がドラゴンヘッドと合なので、「火星的なもの」（エネルギー、闘争心、興奮、情熱）を扱うことに長け、まるで不死身のようなエネルギーをお持ちだったでしょう。
金星/牡牛座は、物質的なもの、お金や贅沢品、質のいいものが大好きでらしたはず。

夫の野村克也さんは、妻の沙知代さんを以下のように評しています。

「大丈夫よ」「なんとかなるわよ」と言い、つねに強気。
頭を下げるとか、腰を低くするとか、そういうことはすべてどこかへ捨ててきてしまったような女である。
地球は自分中心に回っていると本気で思っているのだ。
敵に回したらこんなに厄介な相手はいないが、味方につけたらこれほど頼もしい存在もない。

沙知代は金の管理が大好きだった。

妻は、忠実な番犬のような面も持ち合わせていた。ただ、番犬は番犬でも、獰猛なドーベルマンである。敵と判断すると、時と場所を考えずに吠え、噛みつく。お陰で、こちらは助かるどころか迷惑を被ることも度々だった。

夫の克也さんに比べて、「人を育てる」「教える」ことにはあまり興味がなかったようで、

沙知代は異常なまでの赤ちゃん好きである。赤ちゃんを見かけると、だれかれ構わず「抱かせて。かわいいわねー」とやる。
そのくせ、育てるのは面倒で、ダンとケニー（筆者注：前夫との子供）もそうだったが、克則の育児にも、ほとんど関わっていない。本などでは偉そうに教育論ぶっているが、本来、そんなことが言える立場ではないのだ

力強い月のGTと、太陽-海王星150度とが絡んで、タレントとしての活躍、学歴詐称、衆議院選挙への出馬、ミッチー・サッチー騒動、脱税で有罪判決を受ける、といった出来事にもつながったのでしょう。（蠍座、牡牛座は、金融に縁があるとされます）

ミッチー・サッチー騒動で、沙知代夫人の経歴が暴露されるまで）馬鹿だと思われるかもしれないが、私は出会ってから約30年間、沙知代の言うことを信じ切っていた。ところが、沙知代が私に語ったキャリアは、ほぼ嘘だった。

金星、カイロンの合/牡牛座は、劣等感。
沙知代夫人は、夫である野村克也さんにさえ、自分の生い立ちや経歴を明かしていなかったのです。

3．水星/牡羊座24度は天王星/牡羊座19度と合、冥王星/蟹座20度とスクエア。

発言は鋭く、強烈。怒っているような物言いで、相手がグサッとくる言い方が通常モード。
こういうところも、タレントとして芸能界でうけるポイントだったのでしょう。

口を開くときは、批判ばかりだった。褒めることはまずない。何も言わないか、文句を言うかのどちらかだ。何も言わないということは、よかったということだと解釈した。

元来、感じたまま、見たままをズバズバ言ってしまう性格である。
（野球チームの選手たちに対して）監督である私ですら言えないようなことを、沙知代は平気で言えてしまう。恐れを知らないにもほどがある。

野村夫妻の共通ポイント

野村克也さんと沙知代さんのホロスコープを見ると、3つの共通点が見受けられます。

1. それぞれ、水のグランドトラインにカイトを持つ。どんなに傷ついても復活できる強さ、相手を回復させる力をお持ちです。
2. 太陽と土星、海王星がアスペクトを取っており、土曜日生まれ。土曜日の支配星は土星。忍耐力・持久力に優れた方たちなのでしょう。
3. 月と火星がトライン。身体能力の高さ、負けず嫌いの気質を示します。

野村夫妻の2重円で占う

お二人のホロスコープを重ね合わせたホロスコープ（2重円）。内側の円が野村克也さん、外側の円が沙知代夫人のホロスコープです。

2重円を作成したら、それぞれでも十分パワフルなのに、お二人でいることでさらにパワーアップしていることに気付きます。

野村克也さんの天体を青で、沙知代夫人の天体を赤で記します。

1．金星/獅子座22度　トライン（120度）　水星/牡羊座24度、天王星/牡羊座19度

最初に出会ったとき、夫の克也さんは、沙知代夫人の脚の細さと肩書に「オッ」と来たそうなのです。
金星と天王星がトラインだからでしょうか。

いい女だと思わなかった。
化粧も衣装もごく普通。ブスではないけど美人でもない。ただ、身長は当時としては大きい方だったし、脚がきれいだった。

だが、最初に驚きの声を上げたのは私の方だった。
名刺をみると「伊東沙知代」という名刺の横に代表取締役社長と印刷されていたからだ。女社長など、そう簡単にお目にかかれない時代のことである。

沙知代は、表参道にある「セントラルアパートに立ち寄ってきた」と話していたが、その頃は、力道山などの有名人も住んでいた。のちに糸井重里らが事務所を構えるようになり、クリエイター憧れのアパートになった。今風に言えば、セレブな場所だった。沙知代の生活水準の高さがうかがえた。

2．火星/天秤座16度　オポジション（180度）　天王星/牡羊座19度、水星/牡羊座24度
　　月/双子座、水星/双子座26度　トライン（120度）　　　　　　〃

克也さんのやる気や勝負根性を、沙知代夫人がたきつける。
その一方で、克也さんは、沙知代夫人の毒舌を面白がっていたようにも思えます。

南海の選手兼監督をクビになり、克也さんが車を運転して家族3人で大阪から東京へ出ていくとき、

「これから、どうするよ・・・」
私がつぶやくと、妻は鼻で笑った。
「なんとかなるわよ」
彼女の得意のセリフだった。

3．冥王星/蟹座26度、月/蠍座20度～30度、火星/魚座24度で水のグランドトライン（120度）

沙知代夫人は、自分自身でも冥王星-月-火星をお持ちでしたが、夫の克則さんの冥王星に対して強力な援護をすることで、夫を盛り立てます。（克則さん自身では、冥王星はドラゴンテイルとの合のみ）。

私には、三つの黄金時代があった。一つは現役時代、もう一つは、講演に明け暮れた時代。三つ目はヤクルト、阪神、楽天と三球団を渡り歩いた監督時代である。
その間、沙知代は私にとって唯一の支えだった。支えがあったからこそ、安心して仕事に打ち込むことができた。

4．月とカイロンの合　相似形　金星とカイロンの合

男性にとって、月は自分自身の性格であると同時に、妻や母親も表します。
女性にとって、金星は自分自身をどう見られたいか、好ましい自分を表します。

夫妻は、それぞれ自分に対してカイロン＝傷、悲しみ、劣等感をお持ちでした。そういった点も二人が同志と思える部分だったのでしょう。

5．木星/蠍座14度　オポジション（180度）　金星/牡牛座20度

沙知代夫人は、夫である野村克也さんにさえ、自分の生い立ちや経歴、最初の結婚相手がアメリカ人であることも嘘をついていました。
そんな妻に対して、克也さんは次のように理解を示しているのです。

（脱税で有罪判決を受け、世間に）沙知代のあらゆる嘘が露見したとき、この女は、そんな嘘までついて私の気を引こうとしたのかと思った。はっきり書けば、私を利用して成り上がろうとしたのだ。
浅はかと言えばそうだ。だが同時に、いじらしくも思えた。
私も幼少期、貧しい思いをしたからわかる。何とかして金持ちになりたいと思った。マグマのように、真っ赤でドロドロした感情だった。まして、沙知代が生きた時代は、女性が世に出るにはまだ制約が大きかった。

相性には、難しさと面白さがある

沙知代夫人が原因で、野村克也さんは阪神の監督になった早々、ミッチー・サッチー騒動に巻き込まれ、南海と楽天、2度も監督を辞任することになります。ですが、克也さんはこう言うのです。

南海をクビになっていなかったら、今の私はない。まさに「災い転じて福となす」だった。沙知代は私のラッキーガールだと思った。

彼女と出会って、50年近くともに暮らし、幸せだったという言い切る自信は正直、ない。ずいぶん足も引っ張られたしな。
一般論から言ったら、最低の女房だろう。見栄っ張りで、カネに汚く、傲岸不遜。悪妻の見本のような妻だった。

それでも、野村克也さんは夫人と別れることなど一度も考えたこともないし、夫婦喧嘩も一度もしたことがないそうなのです。

生まれ変わっても沙知代と巡り会いたいかと聞かれたことがある。
勘弁してくれ。それが正直な気持ちだ。

沙知代は、いわゆる妻らしいことは何一つしなかった。食事も作ってくれなかったし、洗濯もしない。子育てにも熱心ではなかった。しかし、私はそれを不満に思ったことは一度もなかった。そんなことは、お手伝いさんに頼めばいいことだと思っていた。

妻としての沙知代に多くを求めなかったのは、私が、沙知代のなかの父性をより必要としていたからだろう。
私は父と母が待つ家を知らずに育った。私にとっては、沙知代が初めての父と母が待つ「家」だった。

沙知代夫人の生前は、いつも夫人が起きて待っていて、野村克也さんは誰もいない家に帰ったことはなかった。夫人の死後、一人残された家に帰ると、「人のいない家は、ぬくもりもなく、寒い」

沙知代がいなくなって、寂しいという言葉はちょっと違う気がする。やっぱり、がらんどうだな。
このがらんどうの人生を、私はいつまで生きるんだろう。

野村克也さんは、沙知代さんが亡くなって2年たった2020年2月、沙知代さんと同じく虚血性心不全のため、自宅でお亡くなりになりました。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

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